[:ja]鶴見小野編集部
つるみおのへんしゅうぶ
町の人が編集部員となり、鶴見小野エリア、鶴見区周辺での取り組みや暮らすひとなどを取材し、SNSなどで拡散するローカル編集部。最初は講座をひらき、プロの編集者や美術家と一緒に文と写真の表現を、映像作家や音楽家と一緒に映像で表現することのワークショップを行ないました。講座を通して完成した取材記事やプロモーションミュージックビデオは「編集部マガジン&ムービー」の中で公開中です。今後も町の魅力を発信する多世代・多文化の部活動として続けていきます。
参加アーティストのプロフィール PROFILE
齊藤真菜 さいとうまな/ライター・編集者
横浜市鶴見区出身・在住。イギリスの大学卒業、NPOを経て現在はフリー。地域の文化・商業情報について執筆する傍ら、「藤棚デパートメント」内の間借り本屋「Arcade Books」で、本のセレクトや販売をしている。
大洲大作 おおずだいさく/美術家
写真を通して人々の生活を写し出す。最近は、列車の車窓から見える風景の中に光や人々の営みを見つけて切り取り、実際の車窓に投影する方法で作品を発表している。
内海拓 うちうみたく/映像作家
クロマキーや映像を切り撮った素材を合成し組み合わせたコラージュ映像や、音楽制作チームのMV制作に取り組む。映像の面白さだけでなく、鑑賞する行為全体に影響するような創作を心がけている。
大野志門 おおのしもん/音楽家
ピアノ演奏や、ラップによる楽曲制作、ライブ活動を行う。音楽の中でも、ジャンルにとらわれず活動範囲を広げるような挑戦をしている。ピアノ演奏では現代音楽を主に行う。[:]

鶴見小野編集部通信第二号
あなたも、町をしゃべらせよう
昨年の秋、鶴見小野の町中がピンクのドットに彩られたことを覚えていますか?
鶴見小野のアートのお祭り「weTREES TSURUMI」が今年も開催されます。
そもそも鶴見小野でなぜアート?
そして、なぜピンクのドット?
今年はどんなイベントがあるの?
そんな疑問に答えるかたちで、「鶴見小野編集部通信」を発行することにしました。
仕掛け人に聞く 2
デザイン・ユニットso+ba(そ+ば)
アレックス・ソンダーレッガーさん、スザンナ・ベアーさん
みんなのメッセージがつながって、「鶴見小野くん」がしゃべり出したら
どんな話が聞けるかな?
「CONNECTING DOTS IN TSURUMI」プロジェクトを始める前、鶴見小野とその周辺を何度も訪れて、あちこち見て歩いた。鶴見小野には多くの人が住んでいて、働きに来る人、学生さん、外国人も大勢いるよね。でも、そうした人同士の町のなかでのコミュニケーションが、意外に少ないように感じた。
so+baはデザイン・ユニットとして、広告やブランディングの仕事もしているけれど、特に得意な分野はクロスカルチャーコミュニケーションのデザイン。
だから鶴見のプロジェクトでも、アートを通して人と人をつなげる、コミュニケーションを増やす取り組みをしたいと考えたんだ。
みんなのメッセージがドットになって、つながっていく
「CONNECTING DOTS IN TSURUMI」は、町の中で「点(丸)をつなげる」プロジェクトだ。町に住む人、町を訪れる人が書いた文章がドットになって、町中に掲示され、つながっていく。それは、新しいコミュニティの創造をイメージさせる光景だ。
普段のデザインの仕事ではコピーは自分たちで書くんだけど、このプロジェクトでは、町の人のメッセージを集めることがすごく大事と思っている。
みんなに書いてもらった言葉がつながって、この町全体、「鶴見小野くん」がしゃべり出したら、どんな話が聞けるかなって思うとワクワクしてくる。
今年はWebサイトの募集記事の一部を11の言語に翻訳している。大勢の外国人が住んでいる鶴見。いろいろな国の人が自分の国の言葉でメッセージを書いて、それが鶴見小野の町の中でつながっていくといいよね。
それから、なぜピンク色なのか?だけど…、ピンクは優しくて、女性に好かれる色。その一方で、パンクロックでもよく使われるように、やかましいイメージも持っている。ワイワイにぎやかに「町をしゃべらせよう」というこのプロジェクトにぴったりな色なんだ。
興味を持つ、参加することで、コミュニケーションは広がる
町を変える、良くする方法はいろいろある。行政や企業がお金をかけて変える方法もあるし、コミュニティのなかから変わっていくこともできる。
プロジェクトのミーティングでは、地元の人から「なぜ、アート?」「どう町に良いの?」と何回も聞かれた。「アートとか、よくわからない」と言われることもある。
でも、「ピンクドットってなに?!」「いったい何やってるの?」って、このプロジェクトが気になる人がいて、そのなかから参加する人が増えれば、それでいいんだ。そこからもう、コミュニケーションは広がっているんだよ。
取材・文・写真:nyameeri